公益財団法人東京都医学総合研究所 神経病理解析室 関 絵里香
KB染色はHE染色と違い髄鞘を可視化できることが特徴である。またニッスル小体をより明瞭に識別できる。リポフスチンは青黒く見える。
KB染色で検索する中枢神経系の病理構造は、神経細胞のニッスル小体の病変や髄鞘の病変などがある。アクロマジアなどニッスル小体の病変はHEで識別できるがKBのほうが見やすい。髄鞘そのものの病理変化はHEで観察は難しいため、KBで確認する必要がある。
例えば、脱髄疾患の髄鞘破壊部などである。HEではある程度髄鞘が淡明化している部分を検出できるが、KBでは明確に脱髄部を検出できる。
髄鞘の発達の様子は髄鞘染色で確認できる。髄鞘の発達は胎児期から大人になるまで続く。特に生後2年までの間に劇的に髄鞘化が進む。