平成30年12月19日、福永龍繁院長、林紀乃部長監察医のお招きにて、東京都監察医務院を訪問してきました。福永先生とはかれこれ10年以上前からおつきあいをいただいており、医学研でも全職員向けのセミナーをお願いしたことがあります。また、林先生はラボの客員研究員もお願いしており、いつも、行政解剖例についてご教示いただいております。
訪問した目的は、脳神経病理データベースの実演紹介がメインであり、様々なコンテンツについて、実際にカンファレンス室でLAN接続して閲覧していただきました。特に私たちが力を入れているEssential Brain Anatomy and Neuropathology (EBA&N)のズーミファイ画像を観ていただきました。
学習ルームを是非作って欲しい、というお声をたくさんいただき、医務院の監察医の先生がログインでいる(今流行?の)ゲートウェイ(バナー)を貼ってみたいと思います。
また、上記プレゼンのあとは、解剖症例の様々な形でのコンサルテーションを受け、海馬硬化疑い、原因不明の小脳失調、ファール病など、貴重な所見をたくさん拝見しました。ブレインカッティングのコツについてもお話しさせていただきました。
今後もこのような機会を作っていただき、お互いの勉強、さらには共同研究などに発展してゆければ嬉しいと思います!
報告:新井
平成30年12月13日、共同研究をしています防衛医科大学校・防衛医学研究センター 生体情報・治療システム研究部門の佐藤俊一教授のラボを訪問してきました。共同研究の詳細はこちらでは書けませんが、頭部へのストレス(外力)が加わったことにより、脳内において異常な蛋白質が蓄積するかどうか、蓄積するような場合、どのような表現型になるのか、などを検証しています。
上記の打合せが終了したあと、ラボの客員研究員をお願いしています原田一樹先生(法医学教室准教授)の教室を訪問し、今後の研究の打合せをさせていただきました。
折しも、防衛医科大学校の入学試験(口頭試問?)の最中だったようで、冬の透き通った寒さの空気感と一体化して、受験生や引率の学生さんの光景が、とても新鮮に感じられました。
報告:新井
平成30年12月7日(金)、東京医療学院大学において、リハビリテーション学科を専攻する学生さんを対象とした特別講義を行ってきました。演題は、『中枢神経系の機能とその異常』です。これまで6年続けてレクチャーをしていますが、今回初めて、学生さんが閲覧して自己学習ができる専用ルームを作成し、脳神経病理データベースのウェブサイトに搭載しました。名前は『中枢神経系の解剖・機能・疾患』です。
コンテンツの流れ(目次)は、以下の通りです。
それぞれの項目には、脳の仕組みや障害に関するアニメ、バーチャルスライド、イラストなどが豊富に搭載されていて、思わず見入ってしまいます(自画自賛?)。医療系大学での教育に活用したいと考えていますので、ご興味ある方はご連絡ください!
報告:新井
平成30年11月30日(金)、横浜市立大学医学部分子病理学教室が主催する神経病理の実習に行ってきました。毎年、どこかのパソコンが調子悪くなったりして、実習がうまくいかない学生さんが発生していましたが、今年は何のトラブルなどもなく、時間内に全員がオンライン上で実習、および、テストをコンプリートすることができました。
この現象は、今年の春頃に、MySQLの最大同時接続数「max_connections」の設定を初期値の151から300に変更した、ということが背景にあるようです。
そもそも、NetCommonsの全データ等を保存しているのは、サーバにインストールされている「MySQL」というツールであり、そのツールは、「同時接続の上限数」を「max_connections」という設定で保持しており、この数を超える接続が行われようとした時に弾くようになっています。この上限数を少し増やしたことにより、今回は問題なく学生さんがアクセスできて、良好なパフォーマンスを得ることができたようです(保守業者さんからの受け売りです)。
ただし、単にその数字を増やせばよい、ということではなく、増やしたことによって、サーバのメモリを越える作業を要求されたりすると、結局ダウンしてしまう、ということも生じるようです。100人程度の学生さんの場合の至適数値ということで、今後も留意してゆき、学習効率の向上に繋げないと思っています。
報告:新井
2018年11月26日(月)午後5時半から、北海道大学医学部・腫瘍病理学教室、田中伸哉教授のお招きで、医学研究院・臨床講義棟におきまして、第16回北大腫瘍病理・外科病理セミナー(北海道大学病理専門医研修プログラムセミナーも兼ねる)を担当させていただきました。
演題は「神経病理診断のスタンダードアプローチ法」とさせていただきましたが、剖検脳脊髄の肉眼観察から診断へ至るプロセスのセオリーやチップスについて、クイズなどを交えながら解説をしました。また、てんかん脳外科治療に関連する外科病理診断のトレンドについても、今後の課題も含めて、ご説明致しました。病理、神経内科の先生方、学生さんにたくさんお集りいただき感謝申し上げます。お役に立てたかどうかわかりませんが、未発表の渾身の「勝負写真」もたくさん披露致しましたので、記憶の片隅にでも残っていただければ嬉しいです。
また、脳神経病理データベースに搭載しました神経病理のe-ラーニングコンテンツも実演致しました。WIFIもよく飛んでおり、サーバに搭載しているデジタル教材を、サクサク気持ちよくプレゼンすることできました。画像を拡大するとテスト問題が書かれている画像には、聴講者の皆さんは、「お〜〜」という反応を頂きました。
セミナーの機会を与えていただきました田中伸哉教授、お忙しい中ご来場いただきました神経内科・佐々木秀直教授、チラシも含めて様々な準備をしてくださいました腫瘍病理・助教の谷川聖先生、秘書の松田様はじめ、多くの関係者様に改めて御礼申し上げます。
報告:新井
2018年9月23〜27日、新宿で開催された第19回国際神経病理学会に行って参りました。昨年、第58回日本神経病理学会総会学術研究会を私どものラボで主催しましたが、今回は、第59回学術研究会を兼ねた国際学会です。
日本での国際神経病理学会は、1990年6月の第11回国際神経病理学会(京都)以来、約30年振りです。自分は前年に東京都神経科学総合研究所に赴任した翌年であり、foamy spheroid bodyについてポスター発表しましたが、当時大御所の白木博次先生(東大脳研神経病理教授)が、その発表を大変気にいっていただき、発表者の私以上にポスターの前でコメントを話していただいた光景を、今でも鮮明に覚えています。
新宿の学会では、Veterinary Neuropathologyのシンポジウムの司会をしましたが、東大獣医病理の先生方の発表はとても興味深いものでした。進化医学という観点から、人の神経疾患を考え直すきっかけを与えていただきました。
http://www.vm.a.u-tokyo.ac.jp/byouri/
次回の国際神経病理学会は4年後、ミュンヘンで開催される予定です。
報告:新井
8月30日から9月1日の3日間、広島の呉市で第17回日本デジタルパソロジー研究会が開催されました。今年の会長は国立病院機構呉医療センター・中国がんセンター院長の谷山清己先生です。
1日目と2日目は国内におけるデジタルパソロジーの発表、3日目は海外からの発表が主となるインターナショナルセッションが行われました。
学会テーマが「デジタルパソロジーが進む道」ということで、今年はAIを使った病理診断支援に関する研究発表も多く、また米国の先進的なデジタル技術に関する発表など、今後のデジタルパソロジーのさらなる発展を期待させる会でした。招聘講演では診療報酬に関する詳しいお話があり、デジタルパソロジーが発展するにあたり今後のデジタル診療のあり方などについてもとても勉強になりました。また、2日目のワークショップでは大学の実習等でのWSI運用についての発表もあり、学習効果を高めるための他施設の取り組みは大変参考になりました。
7月の豪雨災害によって交通機関が一部利用できないなどの状況でしたが、会場には多くの人が集まり、熱い議論を交わして盛り上がりのある会でした。
報告:小島
3月28日から武蔵野市にある日本医科大学武蔵境校舎・日本獣医生命科学大学において第123回日本解剖学会が開催され、2日目にポスター発表を行ってきました。
昨年の解剖学会ではZoomify教材の作成法に関する発表を行いましたが、今年はそのZoomify教材を搭載したe-ラーニング教材「Essential Brain Anatomy & Neuropathology」(EBA&N)の概要についての発表です。
EBA&Nに搭載されているコンテンツの紹介や、改良を加えたZoomify画像の最新バージョンについてご紹介してきました。
発表の際には新井先生がパソコンで実演を行い、進化したZoomify画像を訪れた人に実際に体験していただきました。さらに、より沢山の人に体験してもらうためにEBA&Nのサンプルルームを開設して、解剖学会の参加者が一部コンテンツを自由に閲覧できるようにしました。期間限定ではありますが、この機会にEBA&Nをぜひ一度お試しいただければと思います。
余談ですが、学会の合間に校舎内にあるワイルドライフ・ミュージアムを見学させていただきました。こちらでは獣医畜産学に関する歴史や、野生動物に関する資料などが沢山展示されています。趣のある建物の中にジオラマ風の展示がされており大変興味深い博物館でした。
報告:小島
平成30年1月18日、第41回日本てんかん外科学会の会長、森野道晴先生(熊谷総合病院名誉院長、前東京都立神経病院脳神経外科部長)からのご依頼を受け、日本定位・機能神経外科学会との合同の教育セミナーで講演する機会をいただきました。会場は、奈良公園のなかにある、奈良春日野国際フォーラム・甍(いらか)でした。
演題は「てんかんの病理ー鉄リサイクル異常とてんかんー」です。日本てんかん外科学会においてレクチャーをさせていただくのは、1999年の清水弘之先生が会長であった研究会を始めとして、今回d,6回目です。これまでは、てんかん原性脳形成異常の話が多かったですが、今回は、初めて「脳内鉄リサイクルの異常によるてんかん」という新しいテーマについて、啓蒙的な意味合いを込めたプレゼンをして参りました。
受講者はかなり多く、どうやら、近く予定されているてんかん専門医の受験勉強のための若手が多い様子でした。私のレクチャーはニーズにフィットしているのかどうか?若干心配ではありますが、無線もサクサク飛んでいましたので、ウェブサイトに作成したルームの紹介も十分にできて、演者としては、気持ちよく発表できました。
報告:新井